こんにちは、管理人あいです。
生徒さんの中には「歴史キライ!!」と拒否反応を示すお子さんがかなりいます。
わたし個人は歴史好きですし、歴史を否定されると少し寂しいですが・・・。
歴史キライの生徒に理由を聞くと、
「言葉が難しくてわからない」「流れがわからない」
という話を聞くことがあります。
そこで、今まで受け持った生徒が「わからない」と言っていた言葉や時代の流れを紹介し、説明していこうと思います。
① 「朝廷」と「幕府」の違いがわからない
朝廷が~、幕府が~、と当たり前のように教科書に出てきますが、その説明はなかなか詳しくかかれていないです。
ひとつずつ説明します。
①-1 「朝廷」(ちょうてい)って何?
朝廷とは、『天皇がトップの組織で、周囲に公家(貴族)がいた』と理解してください。
1500年以上前、天皇が早朝に政務を行なっていたことから「朝」という漢字が使われているようです。
中学校の歴史の教科書で見てみると、平安時代くらいまでは比較的『〇〇天皇』の名前がよく出てきているはずです。
それは朝廷が政治を行っていたからです。
今の時代、天皇はいらっしゃいますが朝廷は存在しません。それに近い役割が国会だったり内閣だったりしますね。
朝廷は1885年に内閣制度が始まったことにより、消滅します。
①-2 「幕府」(ばくふ)って何?
幕府とは、「将軍がトップの組織で、周囲は侍。朝廷から一時的に任されたもの」と理解してください。
では、幕府とセットで『征夷大将軍』という言葉がでてきますが、大将軍はなんとなくわかるとして、『征夷』ってどういう意味があるのか知っていますか?
奈良・平安時代に「蝦夷」という地域(現在の関東より北。北陸や東北などは当時の朝廷からは異民族扱いを受けていました)を征伐する任務を朝廷から与えられたので『征夷』大将軍、となったわけですね。
朝廷は現在の京都や奈良にあったわけですから、蝦夷ってはるか遠い場所ですよね。
そうすると、何かあったときに将軍は朝廷に毎回「どうしますか?」「~していいですか?」とお伺いを立てるのがめんどくさいわけです。時間のロスですよね。
そこで、朝廷は「自分の好きなようにやっていいよ」と将軍に言ったのです。つまり、自分の好きなように政治をやってもいいよ、と言われたわけです。
これって将軍や武士たちにしてみれば「にやり」となる話ですよね。なぜなら、自分たちで政治を動かせるわけですから。
こうして、「幕府」というものが、初めて源頼朝によって作られたわけです。
①-3 朝廷vs幕府のいざこざ
朝廷としては、好きに政治をやっていいよと幕府に言ったものの、個人としてはそれを面白くないと思った人間はたくさんいました。
朝廷が好きなように政治を動かせないわけですからね。
それで政治の権利を奪い返そうとすることが起こるわけです。
たとえば
・承久の乱(1221年 後鳥羽上皇が鎌倉幕府に対して朝廷の復権を狙って起こした)
・建武の新政(1333年 後醍醐天皇が鎌倉幕府を倒したあと、『親政』=天皇が自ら行う政治、を開始したこと)
などです。
どうですか?
朝廷と幕府の言葉と由来を知れば、点ばかりだった言葉たちが線でつながりませんか?
②昔の地名がよくわからない
現在は47都道府県ありますが、明治時代になって廃藩置県が行われるまでは68国あったそうです。
確かに、地名がわからないとイメージが湧きづらくピンとこないかもしれません。
例えば、「薩摩」「長州」ときいて、現在のどこの地域にあたるかわかりますか?
「薩摩」は現在の鹿児島県西部、「長州」は現在の山口県西北部です。
坂本龍馬が仲介に立って結ばれた「薩長同盟」は鹿児島と山口のことなのか、とわかりますね。
そして、現在でも当時の地名が色んなところで使われています。
「さつまいも」(薩摩芋)→鹿児島、「さぬきうどん」(讃岐うどん)→香川、
「いよかん」(伊予かん)→愛媛、といった感じです。
ヤマト政権の「大和」も当時、大和と呼ばれる奈良の地域を指します。
昔の地名が今とリンクしていることを踏まえておくと、歴史の理解も深まります。
③ 明治維新以降の近代史がわからない
明治以降は、今までの「朝廷」「幕府」主体のものでなく、国民が主体となって動きだす時代です。さらに外国との関わりが非常に多くなるので、登場人物、国名がバンバン増えていきます。
だから覚えづらいのだと思います。
時代の流れを確認しましょう。
・1870年代ー国内のルールの整備(大名がいなくなり、侍がいなくなり、さまざまな変化があったので、まずは国内をまとめる必要があった)・・・廃藩置県、徴兵令など。
・1880年代ー国民が動き出す・・板垣退助の自由民権運動とか。→これを経て大日本帝国憲法ができあがる。
・1890年代ー海外へ目を向ける・・日清戦争
こうしてみていくと、明治維新以降の歴史は10年を区切りにいろいろ起こっているとわかります。
まとめ
歴史というのはすべてつながりがあります。
Aが起こったから、Bができた。BができたからCが反乱を起こした。という感じですね。
今日は、実際に生徒さんたちから出た「歴史キライな理由」をもとに、言葉と流れをまとめてみました。
もし、お子さんが歴史キライだ、ということであれば、ぜひ参考にするようお話してみてください。
お読みいただいてありがとうございました。
<参考>-英単語の覚え方
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